シニアの本棚の本棚
感想

本屋大賞のノミネート作ということで、期待を持って手に取りました。5人の登場人物がそれぞれの人生でつまずきながらも、ポッドキャストを通じて繋がっていくという構成は、なかなか工夫されているなと感じます。 各章で異なる視点から物語が描かれるため、読んでいて「あ、この人とあの人が繋がるのか」という発見がありました。特に、人生の折り返し地点にいる身として、仕事を辞めた元看護師や二輪整備士の描写には共感できる部分が多かったです。 ただ、正直なところ、全体として少し散漫な印象は否めません。5人の物語が並行して進むため、一つ一つの人物描写が浅くなってしまっているのではないかと思いました。もっと深く掘り下げられていれば、より心に残る作品になったように感じます。 終盤に仕掛けられた驚きの事実についても、「そうなるか」というくらいで、強い衝撃には至りませんでした。平坦な日常を丁寧に描く青山美智子さんの魅力は十分感じられますが、この作品については、可もなく不可もなく、といった印象です。

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