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ゴールデンスランバー

ゴールデンスランバー

伊坂 幸太郎 新潮社 2010年12月1日

感想

久しぶりに一気読みしてしまいました。正直なところ、このような冒険小説は年相応ではないと思いながらも、書店での評判が良かったので試しに手にとったのですが、大正解でした。 首相暗殺という大きな事件の濡れ衣を着せられた青年が、追手から逃げ続けるという設定だけで十分に引き込まれます。何が素晴らしいかというと、単なるアクション映画のような話ではなく、人間関係や過去の記憶が丁寧に織り込まれているところです。登場人物たちの思いがけない繋がりが明かされていく過程で、ページをめくる手が止まりません。 ビートルズのメロディが物語の中で意味を持つという設定も巧みです。また、随所に挿入されるユーモアのおかげで、緊迫した場面ばかりではなく、読んでいて息つく暇も与えてくれます。 流石に若い頃のようなスピード感では読めませんが、だからこそ細部まで丁寧に味わえた気がします。年を重ねても、こうした傑作に出会えるのは読書の喜びですね。パート仕事で疲れた時の、何にも代え難い栄養になりました。