シニアの本棚の本棚
罪過の代償 警視庁文書捜査官(12)

罪過の代償 警視庁文書捜査官(12)

麻見 和史 KADOKAWA 2026年4月24日

感想

警視庁文書捜査官シリーズも十二巻を数えるんですね。これまでのシリーズから鳴海理沙たちのチームワークが確立されているのか、登場人物たちの息遣いがいっそう自然に感じられました。 今回のITプログラマー殺害事件はなかなか不気味な設定です。拷問という暴力的な要素が含まれているので、購入前は少し躊躇しましたが、その心配は無用でした。著者の筆致は冷静で、事件の謎を紐解いていく過程が緻密。文書という証拠から犯人像を浮かび上がらせていく知的な興奮があります。 事件現場に残された不可思議なメッセージの意味を、読者も一緒に考えながらページをめくることになる。真相に至るまでの論理的な道筋がしっかりしていて、安心して読み進められました。シリーズ作品としての品質をきちんと保っているのは好印象。定年を控えた年代として、こうした知的興奮を与えてくれるシリーズの存在は本当にありがたいです。