本と珈琲の本棚
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

ブレイディ みかこ 新潮社 2021年6月24日

感想

息子から勧められて手にした一冊だ。正直なところ、タイトルだけ見たときは何のことやらさっぱりだったのだが、読み始めるとぐいぐい引き込まれた。 ロンドンの底辺中学校を舞台にした話なのだが、これがもう小さな世界の縮図そのもの。いろんな人種、いろんな背景を持つ子どもたちが毎日をぶつかり合いながら過ごしている。正直で時にぶっきらぼうな母親のキャラクターも実に良い。彼女の子どもへの向き合い方を見ていると、こういう親子関係もあるのだなと感心させられる。 何より心を打たれたのは、複雑な現実の中で少年と母親が一緒に考え、悩み、乗り越えていく姿勢だ。決して説教的ではなく、でも大事なことは逃さない。文庫本という気軽なフォーマットだからこそ、電車の中でもゆったり読める。 最後の方は本当にジーンときた。このごろ読んだ本の中では、一番心に残っている。年を取ってからの読書の楽しさを改めて感じさせてくれた良い本だ。

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