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特殊清掃人グレイス・マクギルと孤独な死者たち

特殊清掃人グレイス・マクギルと孤独な死者たち

C.S.ロバートソン / 菅原美保 小学館 2026年2月6日

感想

文庫本のコーナーで目に留まったこの作品。ミステリーとしても、人間ドラマとしても本当に素晴らしい。孤独死の後始末という地味で辛い仕事をしている主人公グレイス・マクギルが、ミニチュア模型を通じて死者と向き合う姿勢に、まず心をつかまれました。 何気ない現場の共通点から未解決事件へとたどり着く過程は、緻密でありながらも読みやすい。スコットランドの古い街の空気感も漂ってきて、どんどんページをめくってしまいました。謎解きの爽快感もありますが、それ以上に、社会から忘れ去られた人々への優しい眼差しが印象的です。 後半の展開は予想を裏切る面白さ。犯人が誰かという純粋なミステリーの楽しさだけでなく、そこに至るまでの人間関係の複雑さ、時間が積み重ねてくるもの——そういった深みがある。気軽に読める文庫だからこそ、こういう傑作に出会えると嬉しい。ダークミステリーが好きな方なら絶対に後悔しない一冊です。