本と珈琲の本棚
感想

プリースト、久しぶりに手に取ってみました。『不死の島へ』は昔から気になっていたんですが、ようやく読む機会に恵まれました。 著者が自らの人生における「鍵」だと語る本作、読んでみるとその言葉の重さが伝わってきます。物語の中で何度も繰り返される島との関係、そして主人公ピーター・シンクレアの執筆活動そのものが物語の根幹を成していく―その構造的な巧みさに唸らされました。 少々複雑な設定ではありますが、ゆっくりと世界に没入していくと、段々と魅力にとりつかれていきます。現実と虚構の境界線が曖昧になっていく感覚、執筆という行為がどんな意味を持つのか、そういった深いテーマが織り込まれているのに、決して難しすぎることもない。 嘱託の身だからこそ、こういう腰を据えた作品と向き合う時間が持てるのは幸せだなと改めて思いました。何度でも読み返したくなる、そんな一冊です。