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アノマリーの追憶 天久鷹央の推理カルテ

アノマリーの追憶 天久鷹央の推理カルテ

知念 実希人 実業之日本社 2026年4月3日

感想

医療ミステリーというジャンルに惹かれて手に取った一冊です。悪魔だの謎の大型肉食獣だのという、一見ふざけたような設定なのに、これが実に綿密に構成されているんですよ。 天才医師・天久鷹央が、常識では説明のつかない事件を次々と解き明かしていく様は、まるで自分も謎解きの途中で引っ張られていくようなわくわく感があります。著者が現役医師ということもあってか、医学知識の説得力がしっかりしているんでしょう。ありえない容疑者という奇想天外な設定が、医学的な論理で見事に整合していく快感がある。 読み進めるうちに、最初は「こんなことあるわけないだろう」と思っていたことが、「ああ、なるほど」と膝を打つ。そういう喜びが詰まった作品です。文庫本のサイズも扱いやすいし、気軽に読み始められるのに、本格的な推理小説としての満足度もちゃんとある。嘱託の身で忙しない日々ですが、こういう一気読みできる良質なエンタメに出会えるのは、読書の楽しみですね。