アノマリーの追憶 天久鷹央の推理カルテ
実業之日本社 | 2026/04/03
みんなの感想
医療ミステリーというジャンルに惹かれて手に取った一冊です。悪魔だの謎の大型肉食獣だのという、一見ふざけたような設定なのに、これが実に綿密に構成されているんですよ。 天才医師・天久鷹央が、常識では説明のつかない事件を次々と解き明かしていく様は、まるで自分も謎解きの途中で引っ張られていくようなわくわく感があります。著者が現役医師ということもあってか、医学知識の説得力がしっかりしているんでしょう。ありえない容疑者という奇想天外な設定が、医学的な論理で見事に整合していく快感がある。 読み進めるうちに、最初は「こんなことあるわけないだろう」と思っていたことが、「ああ、なるほど」と膝を打つ。そういう喜びが詰まった作品です。文庫本のサイズも扱いやすいし、気軽に読み始められるのに、本格的な推理小説としての満足度もちゃんとある。嘱託の身で忙しない日々ですが、こういう一気読みできる良質なエンタメに出会えるのは、読書の楽しみですね。
医療ミステリって聞くと、専門知識がずっしり詰まった難しい本を想像していたんですけど、これは違いました。むしろ読んでいてワクワクが止まらない。 赤ん坊の奇妙な症状と、謎の巨大生物に襲われた男。一見ファンタジーか怪談のような設定なのに、天久鷹央という天才医師がロジカルに真実を解き明かしていく。その過程で、科学と医学と人間の弱さが絡み合っていく感じが本当に面白い。 仕事でコード書いてるときと同じで、一見複雑に見える問題も、根拠と論理で一つ一つ紐解いていくとスッキリする。その快感がこの本に詰まってます。医師である著者だからこその説得力もあるし。 文庫版だから気軽に読めるのも○。通勤の移動時間にちょこちょこ読んでたら、気づいたら一気読みしてました。次は別のシリーズも試してみたい。医療ミステリ、ハマりそうです。
医療ミステリという触れ込みに惹かれて手に取りました。現役医師による作品ということで、医学的な正確性と推理の緻密さを期待していたのですが、読み進めるにつれて違和感が増していきました。 ファンタジー的な設定─悪魔や謎の大型肉食獣といった非現実的な要素─を医学的な推理で解きほぐすという構想は面白いのですが、その融合がうまくいっていないように感じます。医療知識の披露と謎解きのバランスが取れておらず、前半は設定に圧倒され、後半は推理の納得感に欠けるのです。 本来期待した「常識を疑い、科学的思考で怪奇現象を解明する」という知的興奮が十分に得られませんでした。因習との対立という社会的なテーマも挙げられていますが、その掘り下げも表面的な印象です。 管理職として多くのビジネス書や思想書を読む身としては、このような創作でも物語の構造や論理の一貫性を求めてしまいます。娯楽小説として割り切れば楽しめるかもしれませんが、医療ミステリとしての完成度には物足りなさが残りました。
最近SNSで話題になってたので手に取ってみたんです。医師が書いたミステリーって珍しいですよね。 「悪魔に取り憑かれた赤ん坊」「謎の大型肉食獣に襲われた男」——こんな摩訶不思議な事件が果たして医学的に説明できるのか。その謎解きが本当に秀逸です。天久鷹央という天才医師の視点から事件を追っていくのですが、医学知識がふんだんに盛り込まれているのに、決して難しくない。むしろ引き込まれます。 因習に縛られた旧家の妨害や警察の秘密主義など、医療ミステリーとしての厚みもあって。現実と非現実の境目をうまく表現されていて、読んでいて「あ、そういうことか」と膝を打つ瞬間が何度もありました。 50代になると、本の選び方も慎重になるんですが、このシリーズはもう続きが気になって仕方ありません。話題の本をチェックする身としては、これは見逃せない一冊だと思いますよ。多くの人に勧めたくなる作品です。