ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

ブレイディ みかこ

出版社:新潮社 出版年月日:2021/06/24

新潮社 | 2021/06/24

4.33
本棚登録:3人

みんなの感想

感想

年配の人から「とにかく読んでみて」と勧められたこの本、正直なところ最初は半信半疑でした。ただ、評判の良さと内容説明を何度か読み返すうちに、一度手に取ってみようという気になりました。 読み始めてすぐに、この作品の独特な魅力に引き込まれました。少年の視点を通して描かれる多様な背景を持つ同級生たちとの日常は、私たち大人が忘れかけていた「人間らしさ」を思い出させてくれます。人種差別、経済格差、ジェンダーといった重いテーマを扱いながらも、決して説教的にならず、自然な形で読者に問いかけてきる構成が秀逸です。 特に印象深かったのは、パンクな母親との関係性です。親として、人間として真摯に考え、時に悩みながら子どもと向き合う姿勢が、現代を生きる私たちにも大きな示唆を与えてくれます。社会的な課題を個人の物語として、丁寧に、そして時にはユーモアを交えて描く手法は本当に見事でした。 会社員として日々を忙しく過ごす中で、こういった「本質的なもの」に改めて向き合わせてくれる一冊です。迷わずお勧めできます。

感想

息子から勧められて手にした一冊だ。正直なところ、タイトルだけ見たときは何のことやらさっぱりだったのだが、読み始めるとぐいぐい引き込まれた。 ロンドンの底辺中学校を舞台にした話なのだが、これがもう小さな世界の縮図そのもの。いろんな人種、いろんな背景を持つ子どもたちが毎日をぶつかり合いながら過ごしている。正直で時にぶっきらぼうな母親のキャラクターも実に良い。彼女の子どもへの向き合い方を見ていると、こういう親子関係もあるのだなと感心させられる。 何より心を打たれたのは、複雑な現実の中で少年と母親が一緒に考え、悩み、乗り越えていく姿勢だ。決して説教的ではなく、でも大事なことは逃さない。文庫本という気軽なフォーマットだからこそ、電車の中でもゆったり読める。 最後の方は本当にジーンときた。このごろ読んだ本の中では、一番心に残っている。年を取ってからの読書の楽しさを改めて感じさせてくれた良い本だ。

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