生殖記

生殖記

朝井 リョウ

出版社:小学館 出版年月日:2024/10/02

小学館 | 2024/10/02

4.14
本棚登録:12人

みんなの感想

感想

朝井リョウの新作ということで、前作『正欲』の印象が良かったので手にしてみました。ただ、正直なところ、この本は自分には少し合いませんでした。 物語の設定自体は興味深いんです。生殖という根源的なテーマを扱い、独特の視点で人間を描こうとしている意図は伝わります。でも、読み進めるにつれて、その実験的な手法が逆に壁になってしまったというか。文体の工夫や表現の凝った部分が、かえって内容への没入を邪魔してしまった感じがするんですよね。 気軽に読書を楽しむのが好きな自分としては、もう少しストレートに物語の世界に入っていきたかった。途中で何度も、「ここはこう書いたら読みやすいのに」なんて考えてしまいました。 朝井リョウの力量は十分承知しているだけに、もう一度、より親しみやすい形での作品を読みたいと思います。この本が悪いわけではなく、単純に自分の好みと合致しなかっただけかもしれません。

感想

朝井リョウの『正欲』から3年半ぶりとのことで、早速手に取ってみました。話題になっている本は、やはりチェックしておかねばと思いまして。 正直申し上げて、この作品はなかなかに挑戦的です。家電メーカーの総務部勤務という一見地味な主人公を通じて、人間の本質というものを問いかけてくる。「寿命を効率よく消費する」というフレーズが印象的で、そこには現代人の生き方に対する深い問題提起があるのでしょう。 80を過ぎた身としては、若い頃とは違う視点で人生というものを考えさせられました。朝井リョウの筆致は相変わらず鮮烈で、日常の風景の中に隠された人間の複雑さを浮き彫りにしていく。新聞のベストセラー欄でも名前が上がっていましたが、納得のいく評価だと感じます。 時代の空気を敏感に捉えた傑作。定年後、時間に余裕ができた今だからこそ、じっくり味わえる一冊です。

感想

朝井リョウの『正欲』から3年半ぶりの新作ということで、期待値を高めに手に取りました。予想以上に斬新でした。 タイトルの『生殖記』が示す通り、この小説は人間の根本的な欲望を見つめ直す作品。家電メーカーで働く男性を主人公に、彼の内面世界が緻密に描き出されていきます。一見、日常的で退屈そうな設定なのに、その奥底にある複雑で奇妙な思考回路が徐々に露わになっていく。そこが本当に面白い。 朝井リョウの筆力は相変わらず冴えていて、抽象的で難しいテーマなのに、読み始めると引き込まれます。時々「え、そこ?」という視点が登場するのですが、それもまた魅力。人間って結局何で動いているのか、人生をどう歩むべきなのか、そんなことを考えさせられながら読み進めました。 主婦業の合間に読むには難易度がありますが、だからこそ読み応えがある。新しい世界観を提示してくれる傑作だと感じます。朝井リョウを読むなら絶対に外せない一冊ですね。

感想

朝井リョウの『正欲』から3年半、待ちに待った新作です。独特の視点で人間関係を描く彼のスタイルはそのままに、今回はまた新しい角度から世界を切り取っている。 新宿の量販店という何でもない日常の場面から物語は始まるのですが、その描写の細かさと不思議な距離感に引き込まれました。主人公の感覚、思考のパターンが徐々に浮かび上がってくる構成は、まるで霧の中から輪郭が見えてくるような心地よさがある。 複数の視点が交錯しながら展開していく話の運び方は、ちょっと追うのに集中力が必要な部分もありますが、その手間をかけるだけの価値がある仕上がりです。自営業で日々いろいろな人間関係に関わる身からすると、人のちぐはぐさ、なすり合いといったものへの観察の鋭さが突き刺さります。 現代社会における欲望や効率、人間関係のあり方について、問い直させられる一冊。朝井リョウらしい知的で挑発的な世界観を存分に味わえました。

感想

朝井リョウの新作が話題だったので、さっそく手に取りました。『正欲』以来3年半ぶりということで、期待値も高かったのですが、見事に応えてくれた一冊です。 この作品の最大の魅力は、その斬新な視点。ヒトのオス個体という、通常の小説ではまずお目にかかれない観点から物語を紡いでいく手法には、正直驚きました。新宿の量販店というありふれた舞台が、こんなにも興味深い空間に変わるんだとは。著者の創造力の凄さを改めて認識します。 自営業をしていると、人間関係や社会との繋がり方について考えることが多いのですが、この本はそういう根本的な問いを、極めてユニークな方法で提示してくれています。「寿命を効率よく消費する」というフレーズも印象的で、読み進めるにつれ、その意味の重みが増していく。 ページをめくる手が止まらなくなる面白さではありますが、思考を巡らせながら読む必要がある作品です。トレンド性と文学的な深さを兼ね備えた、さすが朝井リョウといった傑作だと思います。

感想

朝井リョウの新作『生殖記』を読み終わりました。『正欲』以来3年半ぶりということで期待していたんですが、期待を裏切らない面白さでした。 この小説は、一見すると日常的な場面から始まるんですが、徐々に著者独特の視点が浮き上がってくる。タイトルの「生殖記」が示唆する通り、人間の本能的な部分を解剖するような冷徹さと、それでいて人間への深い洞察が交錯しています。エンジニアとして仕事をしていると、つい効率や論理で物事を考えてしまいがちですが、この本はそうした思考の陥穽を見事に描き出しているように感じました。 文体としても読みやすく、ページをめくる手が止まりません。ただ時々、著者の問題意識がかなり先端的で、ついていくのに少し考え込んでしまう箇所もありました。でもそこが、気軽に読むだけではない、この小説の魅力なんだと思います。疲れた夜に気軽に開きながらも、しっかり考えさせられる、そんな一冊に出会いたい方にはぜひおすすめです。

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