裕子の本棚
新装版 デルフィニア戦記

新装版 デルフィニア戦記

茅田砂胡 中央公論新社 2026年2月20日

感想

新装版ということで、表紙が新しくなったこのファンタジーを手に取ってみました。少女が城に潜入するという設定は面白そうですし、累計350万部超というのも目を引きます。 読み始めてみると、確かに物語には引き込まれます。登場人物たちがそれぞれに悩み、苦しみながら前に進もうとする姿が伝わってきました。特に主人公の少女とその周りの人間関係が丁寧に描かれている印象です。 ただ、正直なところ、とても新鮮だとか、目からウロコが落ちるような経験というわけではありませんでした。ファンタジーの基本的な要素はしっかり押さえてありますが、昔からよく見かけるパターンという感じがしてしまって。年を取った身からすると、「あ、この流れは見たことがあるな」と思ってしまうことが多かったんです。 面白くないわけではないんですよ。むしろ安定した読み心地で、気軽に読むには良い本だと思います。でも、わざわざ新装版を買ってまで再度読む必要があるかといわれると、迷ってしまうくらいの感じです。