雄一の本棚
無芸大食大睡眠

無芸大食大睡眠

阿佐田哲也 集英社 1988年3月1日

感想

久しぶりに、こんなに楽しく一気読みした本に出会いました。著者の人脈の豊かさに驚くと同時に、その交友録を綴るだけで、こんなに時代の空気が立ち上ってくるものかと感じさせられます。 作家、編集者、映画俳優に舞台俳優、漫画家にスポーツ選手と、ありとあらゆる分野の人物が登場するのですが、どのエピソードもが実に生き生きしていて、まるでその時代の東京の夜を一緒に歩んでいるような気分になります。酒場での出来事、賭け事の話、映画や芝居についての熱い議論——そうした何でもない日常の出来事が、丁寧に綴られることで、一つの時代のドキュメントになっているんです。 自営業をやっていると、人付き合いのあり方について考えることが多いのですが、この本を読んでいると、著者の自然体で気さくな付き合い方が本当に素敵だなと思わせられます。固い関係ではなく、気軽で、でいてどこか深い——そういう人間関係を大事にしている人の話は、やはり違う説得力があるんですね。一気読み確定です。

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