雄一の本棚
感想

1978年からアラスカで写真を撮り続けた著者による33篇のエッセイ集。豊かな自然描写と、そこに暮らす先住民や開拓者たちの人生が静かに綴られています。 正直なところ、期待していた以上のめくるめく感動というわけではありませんでした。アラスカの雄大さや厳しさ、そこに生きる人々の営みについては確かに味わい深く、ページを重ねるごとに著者の眼差しの繊細さが伝わってきます。ただ、エッセイとしてはやや冗長に感じる部分もあり、もう少し切れ味があってもよかったかなという印象です。 それでも、自営業で日々の仕事に追われている身としては、こうした異郷での営みを通じて人生とは何かを静かに問い直すような章もあり、読んでいて思考が少し柔らかくなるような感覚は覚えました。特に人間と自然の関わり方についての記述は、忙しさの中で忘れかけていたことを思い出させてくれます。 決して傑作とは言いませんが、疲れた時間に読むにはちょうどよい、落ち着いた一冊だと思います。

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