信州善光寺門前 おやすみ処にしさわ商店

信州善光寺門前 おやすみ処にしさわ商店

長月天音

出版社:徳間書店 出版年月日:2025/12/10

徳間書店 | 2025/12/10

4.33
本棚登録:5人

みんなの感想

感想

信州善光寺の門前という舞台設定に惹かれて手に取った一冊。実は『ほどなく、お別れです』は未読なのだが、この作品は独立して楽しめる良い作品だと感じた。 小さな宿屋を舞台に、様々な事情を抱えた人たちが立ち寄る。その一つひとつの出会いと別れが丁寧に描かれているのだが、決して重くならず、むしろ淡く温かい。自営業をしていると、人間関係の複雑さや人生の辛さをしみじみと感じることがあるのだが、この物語を読んでいると、そういった痛みや喪失感とどう向き合うか、という大事なテーマが自然に伝わってくる。 派手な事件や劇的な展開はないけれど、読み進めるにつれてじんわり心が温かくなる。疲れた時に枕元に置いて、何度も開きたくなるような一冊。文庫本というフォーマットも、気軽に読める気軽に読み返せるという点で、この作品にぴったり合致している。人生の中盤を迎えた自分にとって、今のタイミングで出会えて良かった。

感想

54歳になると、人生で失ったものの重さをより深く感じるようになる。この本は、そうした喪失感を抱える人たちが集う善光寺門前の小さなお宿を舞台にしている。 評判の『ほどなく、お別れです』の著者という触れ込みに惹かれて手にしたが、期待通りの一冊だった。じんわりとした優しさが全編を包んでおり、読み進める度に心が静かに癒される感覚がある。登場人物たちが抱えている心の痛みや迷いは、現在の自分たちの世代であれば誰もが共感できるものばかりだ。 何より良いのは、単に悲哀に浸るのではなく、喪失を受け入れながら前へ進もうとする登場人物たちの姿勢が描かれていることだ。そこには無理な励ましではなく、本当の希望がある。 文庫版という手軽さも魅力。仕事の帰路や休日の朝に、少しずつ読み進めるのに丁度良い。繰り返し読みたくなる、大切にしたい一冊である。

感想

仕事で疲れた心に染み入るような一冊でした。信州善光寺門前の小さなお宿を舞台に、様々な事情を抱えた人たちが静かに歩み出す様子が丁寧に描かれています。 派手さはないんですが、読んでいると自分の心も一緒にほぐれていく感覚があります。登場人物たちの喜怒哀楽が自然で、つい応援したくなるんです。公務員という仕事柄、ストレスが溜まることも多いのですが、こういった温かみのある物語に出会うと、やっぱり読書って大事だなと改めて感じます。 特に良かったのは、失った何かと向き合いながらも、前に進もうとする人間らしさが伝わってくるところ。説教臭くなく、自然な流れの中で希望が生まれる。そういう話です。新幹線の移動時間や休日にのんびり読むのに最適。心が疲れている人に本当にお勧めできる作品だと思います。

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