雄一の本棚
感想

東野圭吾の作品は以前から気になっていたのですが、この『流星の絆』は書店で何度も見かけ、レビューの評判も良かったので思い切って手に取ってみました。 複雑な人間関係と綿密に構成されたストーリーが見事に機能している。両親を失った三兄妹の絆と葛藤、そして復讐という重いテーマを扱いながらも、物語全体には一種の優しさが流れているように感じます。特に、懐かしい味の記憶が物語の転機となる場面は秀逸で、人間の心の奥底にある繋がりを静かに描いている。 キャラクターたちが信じるもの、守りたいものが明確で、その行動に説得力がある。途中何度も予想外の展開に驚かされ、一気読みしてしまいました。54歳になると、親との関係についても考える年代ですが、その視点からもこの作品は深く心に届きます。 ただ、結婚詐欺という犯罪行為を手段とする主人公たちへの感情移入については、読者によって意見が分かれるかもしれません。それでも、人間らしさと物語の完成度の高さは確かです。長編を読み通す体力が必要ですが、その価値は十分にあると思います。

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