アルジャーノンに花束を新版
早川書房 | 2015/03/13
みんなの感想
長年、様々な文学作品に接してきましたが、この作品は確かに世評の通りの傑作だと実感しました。 チャーリイという一人の青年の劇的な変化を通じて、知能と人間性、幸福と不幸の本質が問い直される。その構成の見事さに、まず引き込まれます。進歩報告書という形式で描かれるチャーリイの心情の変化は、読む側の感情をも大きく揺さぶります。 特に印象深かったのは、知能の向上に伴う人間関係の変化です。かつての優しさが失われ、知識による傲慢さが生まれる様。そして、それらすべてを見つめ直す場面。人生経験を積んだ身だからこそ、その葛藤の深さが痛いほど理解できました。 何度も出版されてきた作品ですが、この新版は訳者のあとがきが著者追悼となっており、改めてこの作品の重さを感じさせます。慎重に本を選んでいた私ですが、この作品は躊躇なく推奨できます。万人の心を揺さぶる、本当に素晴らしい一冊です。
新聞の書評欄で大きく取り上げられていたので、この新版を手に取ってみました。昭和の時代に世界中で話題になった作品だと聞きますが、今読んでも色褪せないというのは本当ですね。 主人公チャーリイの知能が急速に高まっていく過程を、彼自身の記録という形で辿るという仕掛けが見事です。知性を得ることの喜びと、同時に社会や人間関係の複雑さに直面する苦しみが、これほど切実に伝わってくる作品は珍しい。私も人生経験を重ねましたが、この主人公が感じる喜びと孤独の揺らぎに、自分の経験を重ねずにはいられませんでした。 この新版には訳者の追悼あとがきが付いているとのことで、それを読むとまた違う味わいが生まれます。80年を超えて生きてきた身としては、人間の本質について問いかけ続ける古い作品に、むしろ強く惹かれるのかもしれません。まだ読まれていない方にはぜひお勧めしたい一冊です。
長年積み読みしていたこの作品をようやく手に取りました。何度も話題になっているのは知っていましたが、今回の新版出版を機にと思い立ったのです。 読み始めてすぐに引き込まれました。チャーリイという主人公の視点から語られることで、知能の変化が実感できるのです。報告書の形式を通じて、文体や思考パターンが段階的に変わっていく仕掛けは見事としか言いようがありません。 この小説が問いかけているのは、知能や能力といった表面的なものではなく、人間にとって本当に大切なものは何かということ。社会的地位や知識よりも、他者を思いやる心、人とのつながりの方が人生にとってはずっと重要だという真理が、静かに、しかし強く胸に響きます。 58年生きてきて、人間関係や仕事での成功について様々な経験をしてきましたが、この物語はそうした経験と深く共鳴しました。青年時代に読んでいたら、また違う感動があったかもしれません。でも今、この時期に読めたことに感謝しています。傑作とされる理由がよくわかりました。
最近、書店で何度も目にしていたこの本、やっと読んでみました。新版が出ているということで話題性もあるし、こういう時代を超えて愛される作品って素敵だなと思ったんです。 開いた瞬間から引き込まれてしまいました。主人公チャーリイの日記という形式で物語が進むのですが、彼の知能が変わっていく過程が、文章そのものの変化で表現されているんです。最初は素朴で単純な言葉遣いが、やがて複雑で洗練されていく。その工夫だけで涙が出そうになりました。 知能が高まることが本当の幸福なのか、人間にとって最も大切なものは何なのか…そういう深い問いがずっと心に残ります。パート令めしながら人間関係に悩むこともある私ですが、この本を読んでいると、頭の良し悪しより、どう生きるかの方がよっぽど大事なんだって気づかされました。 全世界で愛されているというのもうなずけます。世代を超えて、きっと多くの人の心を動かす作品だと思います。新版で訳者のあとがきも追加されているそうなので、それも含めて素晴らしい一冊です。
何度も勧められていた作品ですが、今回ようやく手に取ることができました。正直なところ、事前の評判が高すぎて、本当にそこまで素晴らしいのかと少し懐疑的でもあったのです。ですが、読み始めるとすぐにその不安は払拭されました。 主人公チャーリイの日記形式で進んでいく物語は、彼の変化を読者が直接感じることができます。知能の向上とともに、彼が世界をどう捉えるようになっていくのか。その過程がこんなにも切実で、こんなにも人間らしいものだとは思いませんでした。 何より心を打たれたのは、知識や能力だけでは満たされない、人間にとって本当に大切なものは何かという問いが、静かに、でも強く胸に届くことです。読み終わった後、しばらくは本を置いた手が止まりませんでした。 64年生きてきた中で、こんなに深く考えさせられた小説は数少ないです。文庫本で手軽に読める新版が出たというのも、多くの人に届く機会が増えたということでしょう。本当に読んで良かった。心からお勧めできる一冊です。