ストロベリーナイト

ストロベリーナイト

誉田 哲也

出版社:光文社 出版年月日:2008/09/09

光文社 | 2008/09/09

4.00
本棚登録:3人

みんなの感想

感想

警察小説は何度も手に取ってきたが、この作品は一線を画している。警視庁捜査一課の姫川玲子という主人公のキャラクターが実に立体的で、単なる優秀な女性刑事という枠に収まらない深みがある。 溜め池の惨殺死体から始まる事件は、一見すると典型的なミステリーの構成に思える。しかし進むにつれ、その背後に隠された複雑な人間ドラマが浮かび上がってくる。謎の言葉「ストロベリーナイト」の意味を追う過程で、登場人物たちの動機や感情が緻密に描かれ、単純な犯人追跡を超えた重厚さを備えている。 何より感心したのは、クセの強い刑事たちとのやり取りを通じて、組織内での人間関係や葛藤がリアルに描かれている点だ。54年生きてきた身として、こうした職場の空気感には思わず頷かされた。終盤の衝撃的な真実は、軽率な予測を許さない周到さで構成されている。娯楽作品としてのページターナーの質と、小説としての完成度を両立させた傑作だと断言できる。

感想

話題作ということで期待を込めて手に取りましたが、正直なところ期待と現実のギャップに戸惑いました。 警部補・姫川玲子というキャラクターは魅力的で、個性的な刑事たちとの関係性も悪くないのですが、ストーリー展開が予想通りに進んでしまう部分が多く、新鮮さに欠けるように感じました。序盤から主要な謎の正体がうっすら見えてしまい、それが後々の驚きを減らしているような気がします。 また、ボリュームの割に冗長な描写が目立ち、特に捜査の過程では「これは本筋に必要か?」と疑問に思う場面がいくつかありました。管理職として仕事で長編を読む時間を作るのは大変なので、限られた読書時間を使うにはやや効率が悪いと感じてしまいます。 エンタメ小説としては一定の水準にあると思いますが、同じ警察小説なら他の作品の方が緻密さや面白さで上回っているのではないでしょうか。シリーズ化されているようですが、次作を読むかは検討が必要です。

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