雄一の本棚
1%の努力

1%の努力

ひろゆき ダイヤモンド社 2020年3月6日

感想

会社生活も二十年を超えると、世の中の成功論や自己啓発本にはどうしても懐疑的になってしまう。しかし本書は違う。著者の弁護士としての実務経験から導き出された「1%の努力」という考え方は、むしろ潔い。 99%の努力で足りないのではなく、最後の1%で「一歩引いて考える」という視点の転換が重要だという主張は説得力がある。敗訴判決の事例やエピソードを通じて、優先順位の決定やジレンマへの向き合い方が具体的に示されている点が実用的だ。 特に印象に残ったのは、人生において「何をするか」という選択肢に埋もれがちな、「何をしないか」という判断の重要性である。これは長く仕事をしてきた身からすると、若い時代に知りたかった知見だと感じる。 ただし、著者の視点が弁護士という特殊なキャリアに基づいているため、万人向けとは言い難い部分もある。それでも、中年以上の読者にとっては、仕事や人生の岐路で指針となる一冊として価値がある。慎重に本を選ぶ身としても、これは読む価値があると判断した。