雄一の本棚
感想

就活というテーマで、これほど深く人間の本質に迫った小説に出会ったのは久しぶりです。 自分自身も若い頃に就職活動を経験していますが、当時の淡い記憶と比べて、この作品が描く大学生たちの葛藤のリアリティに驚きました。彼ら彼女らが演じること、隠すこと、本当の自分を見つけようと必死に足掻く様子が、実に説得力を持って綴られている。単なる就活小説ではなく、現代人が抱える根本的な不安や偽りと向き合う問題作だと感じます。 会社員人生が長くなると、仕事の現場でも「何者か」という問いかけから遠ざかってしまうものです。しかしこの本を読んでいると、そうした問い自体を忘れてはいけないのだと改めて考えさせられる。登場人物たちの言葉や行動を通じて、自分自身の人生にも光が当たるような感覚を覚えました。 筆力も素晴らしく、最後まで一気に引き込まれました。同年代の読者にも強くお勧めしたい一冊です。

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