きげんのいいリス

きげんのいいリス

トーン・テレヘン, 長山 さき

出版社:新潮社 出版年月日:2018/04/26

新潮社 | 2018/04/26

4.33
本棚登録:3人

みんなの感想

『ハリネズミの願い』で話題となったテレヘン作家の幻の名作とのことで、さっそく手に取ってみました。 これは本当に素敵な作品です。気のいいリス、頭の重いアリ、夢見がちなゾウ……各々の個性的などうぶつたちが織りなす物語は、一見すると童話のようでありながら、大人が読むと深く心に響きます。会社でもアリのように知識の重みに押しつぶされそうになることがありますし、時にはリスのような気のよさが必要だと感じさせられます。 特に印象的だったのは、登場するどうぶつたちが決して完璧ではないということ。不器用で、悩んで、時には失敗する。その誠実な姿勢がとても好きです。43年も生きていると、完璧さよりもそういう不完全さの中に人間らしさや魅力があることに気づきます。 短編のような構成で読みやすく、お風呂の時間に何度か手に取りたくなる温かさがあります。今、話題の本として注目されているのも納得。トレンドで見かけたからではなく、本当に価値のある作品として多くの人に愛されるといいなと思います。

久しぶりに、こういう本に出会いました。動物たちが登場人物として自分たちの悩みや個性を語るというシンプルな構成なんですが、読んでいて「あ、これ自分じゃん」って思わず笑ってしまう瞬間がたくさんあるんです。 公務員という職業柄、毎日似たようなルーチンをこなしているから、この本に登場する不器用で真面目な動物たちの姿が妙にリアルに感じられました。知識が多すぎて頭が重いというアリの悩みなんて、仕事をしていく中で本当に共感できる部分があります。 『ハリネズミの願い』を書いた著者の作品ということで手に取ったんですが、気軽に読める割に深い余韻が残る。難しい言葉を使わず、でも人間関係や生き方について考えさせられる。気分が沈んでいる時に読むと、なぜか元気が出るんです。動物たちの素朴な言葉が心に染みる感じ。 仕事のストレスがたまった時の気分転換に、この本はぴったり。肩の力を抜いて、でも何かを得られる。そういう本って実は貴重だと思います。