雄一の本棚
海賊とよばれた男(上)

海賊とよばれた男(上)

百田 尚樹 講談社 2014年7月15日

感想

本屋大賞の受賞作ということで、評判を聞いてから文庫化を待って購入しました。54年人生を歩んできた身として、この作品が描く戦後日本の再生の歴史には、特別な重みを感じます。 国岡鐡造という一人の実業家の足跡を通じて、焼け野原から立ち上がる日本の姿が活写されています。敗戦という絶望的な状況の中で、従業員を守り、石油という戦略的な商品を武器に世界と渡り合おうとする彼の執念には、深く心を打たれました。単なる経済歴史小説ではなく、人間の尊厳と誇りについて問いかける作品だと感じます。 ページをめくるごとに、時代に翻弄されながらも決して志を失わない主人公への共感が湧き上がってきます。同じ世代のビジネスマンにとって、現在の私たちが何を大切にすべきかを改めて考えさせてくれる傑作です。慎重に本を選ぶ私が心から推薦できる一冊。上巻から一気読み必至です。

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