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脱『ヒヨコ』!? 異界渡りの『嫁』はS級冒険者の『旦那』と旅に出る

脱『ヒヨコ』!? 異界渡りの『嫁』はS級冒険者の『旦那』と旅に出る

tamura-k / 北沢きょう 新書館 2026年4月21日

感想

異世界ファンタジーと日常的な人間関係を組み合わせるというコンセプトが興味深く、手に取ってみました。 冒険者という一見華やかな設定でありながら、夫婦という最も身近な関係性を丁寧に描いているところが秀逸です。主人公である妻のキャラクター成長が自然で、読んでいて思わず応援したくなる。弱さから始まる物語が、無理なく説得力を持って進んでいくのは、著者の構成力の賜物だと感じます。 ただし、冒険者としての活動描写がやや駆け足気味だったのが残念。もっとその部分を深掘りしてもよかったのではないかという思いは残ります。また、後半の盛り上がり方についても、もう少し工夫があれば完璧だったかもしれません。 それでも全体としては、同じフリーランスという立場で働く身としても、夫婦で同じ目標に向かっていく描写には共感できる点が多くありました。ファンタジーとしても人間ドラマとしても及第点以上の出来栄え。年相応の視点で楽しめる一冊です。