高一事変(1)

高一事変(1)

松岡 圭祐

出版社:KADOKAWA 出版年月日:2026/04/24

KADOKAWA | 2026/04/24

4.00
本棚登録:4人

みんなの感想

感想

『高校事変』の前日譚とのことで、本編未読ながら思い切って手に取ってみた。結果として、これは大正解だった。 15歳の優莉結衣という人物が、父親の死刑という重い背景を抱えながらも進学を目指す。その過程で全国の高校から次々と入学を拒否されるという設定から、この作品が単なる青春小説ではないことが伝わってくる。北茨城の鵺沼高校に辿り着いた彼女を待つ「陰謀」への導入部として、実にしっかり構成されている。 ビジネス書を多く読む立場からすると、こうした前日譚ものは前置きが冗長になりがちな懸念があったが、その心配は無用だった。著者は限られた紙幅の中で、結衣という人物の鋭さと脆さを同時に描き出し、読者を次へ次へと引き込んでいく。社会的な圧力や不公正に直面する少女の心理描写が緻密で、48を迎えた自分にも十分説得力がある。 本編を読まずにこの一冊で完結することはできないが、むしろそれが目論見なのだろう。良い意味で続きが気になる仕上がりだ。

感想

『高校事変』シリーズの前日譚ということで手に取ってみました。死刑囚の娘という重い背景を背負った少女が、小さな町の高校で事件に巻き込まれていく——なかなか興味深い設定です。 ただ読んでみると、期待と現実のズレを感じずにはいられませんでした。確かに設定は魅力的なのですが、物語の展開が駆け足気味で、登場人物たちの内面がもう一歩掘り下げられていないような印象を受けます。特に主人公・結衣の心情の変化が説明的に感じられ、少女の悲しみや怒りがもっと生々しく伝わってくるといいなと思いました。 青春バイオレンス文学と銘打たれている割には、暴力的な場面も含めて描写が控えめというか、もどかしさが残ります。自営業で時間に余裕がある身だからこそ、もっとじっくり人物描写に浸りたかった。本編への導入としては機能しているのかもしれませんが、この一巻だけで評価すると、完成度としては少し物足りないというのが正直なところです。

感想

『高校事変』シリーズの前日譚だというから、どんな話なのか興味をひかれて手に取ってみました。正直なところ、こんなに面白いとは思いませんでした。 主人公の優莉結衣という少女が、父親の過去という重い荷物を背負いながら、新しい学校生活を始める。そこで彼女が出くわす陰謀というのが、単なる学園ドラマではなく、緊迫感に満ちている。十五歳でこんなにタフなキャラクターが存在するだろうか、と疑問に思いながらも、一気に引き込まれてしまいました。 気軽に読む小説として最高の一冊です。テンポよく進む話運びと、予想を裏切る展開が心地いい。青春バイオレンスなんて大げさなタイトルかと思っていましたが、これはなるほど、そういうことかと納得。次の巻も続けて読みたくなる、そんな魔力がこの本にはあります。定年前の身だからこそ、こういう若々しいエネルギーに満ちた物語が、気分をリフレッシュさせてくれるのかもしれません。

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