裕子の本棚
フィッシュストーリー

フィッシュストーリー

伊坂 幸太郎 新潮社 2009年12月1日

感想

文庫本の手軽さが好きなので、伊坂幸太郎さんの本は時々手に取ります。この『フィッシュストーリー』も図書館で見かけて、思わず借りてきました。 表題作を含めた四つの短編が入っているんですが、どれも設定が変わっていてね。時間を超えて繋がっていく話だとか、黒澤という人物が活躍する話だとか。読んでいて「あ、こういう仕掛けなのか」と気づく瞬間は楽しいです。最後はスッと胸のすくような終わり方になっていて、そういう爽快感は好ましい。 ただね、率直に申し上げると、全体を通して「いいな」と感じるところもあれば「ちょっと難しいな」と感じるところもあって、心がぐっと掴まれるほどではなかったんです。物語として上手く構成されているのはわかるんですが、私のような年寄りには、もう少し素直な物語の方が好みかもしれません。 78歳ですから、これ以上難しい話を追うのはなかなかね。でも伊坂さんのユニークな想像力は嫌いじゃありませんので、また別の作品を読んでみるかもしれませんね。