最近テレビやラジオで話題になっているこの作品、どうしても気になって手に取ってみました。江戸川乱歩賞を受賞し、王様のブランチでも受賞しているというので、相当な力作なんだろうと予想していたのですが、その期待は裏切られませんでした。 「殺し屋の営業術」というタイトルから、少々物々しい内容かと思っていたのですが、実際に読んでみると、主人公の人間臭い葛藤や心の動きが丁寧に描かれていて、単なるサスペンス小説ではないんですね。この年になると、キャラクターの内面描写がどれだけ説得力を持つかが、本の価値を左右すると感じます。 東野圭吾さんも推薦されているように、読み手の心を掴む力が本当にある。テンポよく読め、徹夜してしまいそうになるほど引き込まれました。今時の流行りの本というのは侮れないものだと、あらためて認識した次第です。八十の身で、まだこうして夢中になれる本に出会えるのは、本当に幸せなことだと思います。