ゆーきの本棚
イギリス児童文学論

イギリス児童文学論

三宅興子 翰林書房 1993年11月1日

感想

話題の本ということで手に取ってみたのですが、正直なところ期待と異なりました。イギリス児童文学の研究書というわけですね。学術的な分析が中心なのは承知していましたが、思った以上に難解で、80年も生きてきた私でも読み進めるのに苦労しました。 著者の論述は緻密なのでしょうが、専門知識がない読者への配慮が足りないように感じます。児童文学というと、子どもにも大人にも親しみやすい題材だと思っていたのに、この本は完全に学者向けの内容。せめて各章の導入部分で、もっと分かりやすく主題を示してくれれば、と残念です。 これまで読んできた小説やエッセイの気軽さを求めていた身としては、学術書としてのハードルが高すぎました。児童文学に関心のある研究者や学生には価値がある一冊なのでしょうが、一般的な読み手向けではないと思います。もう少し入門的で親しみやすい構成であれば、違う評価もできたでしょう。

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