イギリス児童文学論

イギリス児童文学論

三宅興子

出版社:翰林書房 出版年月日:1993/11/01

翰林書房 | 1993/11/01

2.50
本棚登録:2人

みんなの感想

感想

児童文学という領域をここまで深掘りした論考は珍しいな、と思いながら読みました。イギリス児童文学の歴史や特性を丁寧に追いながら、単なる「子ども向けの本」ではなく、一つの文学ジャンルとしての重要性をちゃんと論じているのが良い。 若い頃『ナルニア国物語』や『不思議の国のアリス』を読んだ時の感覚を思い出させてくれるようで、あの作品たちがいかに綿密に構想されていたか、作者たちがどんな想いで執筆していたのか、そうした背景が見えてきた。子どもの視点を大切にしながらも、大人が読む価値のある深さがあることに改めて気づかされます。 専門的な論述ではありますが、難しすぎず、かといって軽くもない。自営業で時間のやりくりがつく時間帯に、コーヒーを飲みながらゆっくり読むには絶好のペースです。あの頃好きだった作品たちを、また手に取ってみたくなりました。

感想

話題の本ということで手に取ってみたのですが、正直なところ期待と異なりました。イギリス児童文学の研究書というわけですね。学術的な分析が中心なのは承知していましたが、思った以上に難解で、80年も生きてきた私でも読み進めるのに苦労しました。 著者の論述は緻密なのでしょうが、専門知識がない読者への配慮が足りないように感じます。児童文学というと、子どもにも大人にも親しみやすい題材だと思っていたのに、この本は完全に学者向けの内容。せめて各章の導入部分で、もっと分かりやすく主題を示してくれれば、と残念です。 これまで読んできた小説やエッセイの気軽さを求めていた身としては、学術書としてのハードルが高すぎました。児童文学に関心のある研究者や学生には価値がある一冊なのでしょうが、一般的な読み手向けではないと思います。もう少し入門的で親しみやすい構成であれば、違う評価もできたでしょう。

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