静かな読書の本棚
イギリス児童文学論

イギリス児童文学論

三宅興子 翰林書房 1993年11月1日

感想

児童文学という領域をここまで深掘りした論考は珍しいな、と思いながら読みました。イギリス児童文学の歴史や特性を丁寧に追いながら、単なる「子ども向けの本」ではなく、一つの文学ジャンルとしての重要性をちゃんと論じているのが良い。 若い頃『ナルニア国物語』や『不思議の国のアリス』を読んだ時の感覚を思い出させてくれるようで、あの作品たちがいかに綿密に構想されていたか、作者たちがどんな想いで執筆していたのか、そうした背景が見えてきた。子どもの視点を大切にしながらも、大人が読む価値のある深さがあることに改めて気づかされます。 専門的な論述ではありますが、難しすぎず、かといって軽くもない。自営業で時間のやりくりがつく時間帯に、コーヒーを飲みながらゆっくり読むには絶好のペースです。あの頃好きだった作品たちを、また手に取ってみたくなりました。

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