まほろ駅前多田便利軒
文藝春秋 | 2009/01/01
みんなの感想
直木賞受賞作ということで期待して読み始めたのですが、正直なところ「可もなく不可もない」というのが率直な感想です。 便利屋という設定は面白く、主人公の多田と行天というコンビの掛け合いには確かに魅力があります。日常のありふれた依頼が、読み進めると思わぬ展開へ向かっていく仕掛けも工夫されているなと感じました。ただ、全体を通して読むと、各エピソードが独立した短編の集まりという印象が強く、物語として一本の軸がしっかり通っていないように感じてしまいました。 会社員として日々忙しく過ごしている身としては、週末にゆったり読める小説を求めることが多いのですが、この作品は軽いタッチながらもどこか引っかかるものがあり、素直に没入しきれませんでした。キャラクターの魅力で読ませている部分が大きいので、登場人物の関係性をより深く掘り下げた続編があれば、評価も変わるかもしれません。 ベストセラーだからこそ手に取った作品ですが、万人向けというわけではないのだろうと感じます。
この本、本当に面白くて一気読みしてしまいました。多田さんと行天さんというふたりの男性が繰り広げる日常のお話なんですけど、何というか、こんなに笑わせてくれる小説があるんだなって感動しましたよ。 便利屋という舞台設定も素敵で、ペットを預かったり、塾の送迎をしたり、納屋の片付けをしたりという、本当にありふれた仕事なのに、そこからこんなに素敵なストーリーが生まれるんですね。ふたりの掛け合いが自然で、読んでいると友人同士の会話を聞いているみたいな感覚になります。 パート仕事の帰りに、疲れた時なんかに読むと、心がほっこり温かくなるんです。重くない話なので、気軽に楽しめるのがいいですね。直木賞を受賞した作品というのも納得できます。これからもこういう癒されるような小説をもっと読みたいなって思いました。文庫本のサイズも持ち歩きやすくて、待ち時間とかに読むのにぴったりです。
直木賞受賞作ということで期待して読んでみましたが、期待以上でした。便利屋の多田と、そこに転がり込んできた行天という二人の男が、駅前で様々な依頼をこなしていく。一見ありふれた日常のエピソードなのに、著者の手にかかると不思議と魅力的になってしまいます。 教員という仕事柄、人間関係を描く作品には敏感なのですが、この二人の掛け合いの自然さと温かさがいいんです。全く異なる性質の二人が協力することで、ほのぼのとしながらも時々きな臭くなる展開。その絶妙なバランスが秀逸です。短編的なエピソードの積み重ねなので、気軽に読めるのも良かった。教員生活で疲れているときに、このような軽やかで人情味のある話は本当に心地よいです。 著者の観察眼の鋭さと、物語を構成する力の高さを感じました。気軽に楽しめるエンタメ作品でありながら、人間の魅力を丁寧に描いている。こういう本こそ、多くの人に読んでもらいたいなと思います。
新社会人になって、仕事のストレスで小説を読む時間が増えました。このスレスを読んで正解でした。 まほろ駅前という架空の町を舞台に、便利屋・多田と相棒・行天の日常を描いた作品です。最初は「ペットあずかりや塾の送迎?」という地味な依頼ばかりかと思っていたのですが、それらの何気ない仕事の中に少しずつ変わった展開が隠れていて、読み進めるたびに引き込まれました。 何より魅力的なのはこの二人のキャラクターです。真面目な多田と、どことなく抜けている行天。その掛け合いが自然で、会話を読んでいるだけで笑えます。一見つまらない日常を、こんなに面白く描けるんだと感心しました。 直木賞受賞作だけあって、構成も完璧です。各エピソードがちょうど良い塩梅で終わるので、仕事終わりに疲れた状態でも読みやすい。この本を選ぶのにレビューを参考にしましたが、大正解でした。同じく日常系の良質な小説を探している人には、自信を持っておすすめできます。