一郎の本棚
感想

新しい文芸誌ということで、実績のある編集陣と豪華な執筆陣に惹かれて手に取りました。5万部の売上という触れ込みも、質の高さを期待させるに十分でした。 ただ、実際に読んでみるとやや期待値と現実にズレを感じてしまいました。「悪」という特集テーマは興味深いのですが、掲載作品全体として一貫性に欠けるというか、統一感がないんです。各著者が個々の作風で自由に表現しているのは理解できますが、特集として成立しているのか疑問が残ります。 収録されている短編はどれも及第点以上の出来栄えです。ただ、初号の勢いや話題性と比較すると、二号目ということで多少の期待値下げ補正をしても、やはり物足りなさがあります。新しい才能の発掘という点では機能していますが、既存の有名作家との作品のばらつきが大きく、読み応えが不均等に感じられました。 エッセイ部分も含めて、全体的には「無難な良さ」という印象に落ち着いてしまいました。次号に期待したいところです。

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