薬屋のひとりごと 3

薬屋のひとりごと 3

日向夏

出版社:主婦の友社 出版年月日:2015/06/29

主婦の友社 | 2015/06/29

3.67
本棚登録:3人

みんなの感想

感想

シリーズ3巻目ということで期待を込めて手に取ったんですが、正直なところやや失望してしまいました。 前作までの緊張感のある謎解きの面白さが、今作ではいくぶん薄れているように感じます。猫猫のキャラクターや世界観の魅力は相変わらず素晴らしいのですが、ストーリー展開が散漫になっていて、各エピソードが独立した印象を受けてしまうんです。特に後半は急ぎ足で進められているようで、もう少し丁寧に描写してほしかったなと思います。 また、新社会人の身としては、仕事で疲れているときに読むライトノベルは、もっとスッキリと納得できる結末を求めてしまいます。複雑に絡み合った人間関係や政治的な陰謀も興味深いのですが、もう少し読みやすさと満足感のバランスがあると嬉しいですね。 シリーズを追いかけている身としては続きが気になるところですが、次巻に期待しつつ、もう一度ペースを見直してくれることを願っています。

感想

第3巻に入ると、このシリーズの面白さがより一層際立ってくる。猫猫という主人公のキャラクターの立体性が深まり、彼女がどう動くかで物語全体が活気づく構成になっているのだ。 後宮という権力渦巻く環境での人間関係の綾、そして外部からの政治的陰謀が絡み合う展開は、いかにもライトノベルらしい娯楽性を保ちながらも、実務的な現実感を失わない。玉葉妃の妊娠という重要な要素を軸に、複数の事件が並行して進む構成の巧みさに感心させられた。 特に興味深いのは、花街での出来事と皇帝周辺の動きが不可視の糸で繋がっていく過程である。各エピソードが無意味な寄り道ではなく、全体の布石となっている点が、編集構成の優秀さを物語っている。 惜しむらくは、キャラクターの心理描写がまだ浅い箇所もあり、もう一段階深い掘り下げがあれば、さらに傑作たり得るだろう。ただそれでもなお、娯楽小説として十分な水準を保ち続けているのは評価に値する。次巻への期待が高まる一冊だ。

ブクログからブクマへ
かんたん引っ越し

読書記録や感想をそのまま移行。
数分の準備で、ブクログの本棚をブクマへ。

詳しく見る
ブクログからブクマへの引っ越しイメージ