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薬屋のひとりごと 3

薬屋のひとりごと 3

日向夏 主婦の友社 2015年6月29日

感想

第3巻に入ると、このシリーズの面白さがより一層際立ってくる。猫猫という主人公のキャラクターの立体性が深まり、彼女がどう動くかで物語全体が活気づく構成になっているのだ。 後宮という権力渦巻く環境での人間関係の綾、そして外部からの政治的陰謀が絡み合う展開は、いかにもライトノベルらしい娯楽性を保ちながらも、実務的な現実感を失わない。玉葉妃の妊娠という重要な要素を軸に、複数の事件が並行して進む構成の巧みさに感心させられた。 特に興味深いのは、花街での出来事と皇帝周辺の動きが不可視の糸で繋がっていく過程である。各エピソードが無意味な寄り道ではなく、全体の布石となっている点が、編集構成の優秀さを物語っている。 惜しむらくは、キャラクターの心理描写がまだ浅い箇所もあり、もう一段階深い掘り下げがあれば、さらに傑作たり得るだろう。ただそれでもなお、娯楽小説として十分な水準を保ち続けているのは評価に値する。次巻への期待が高まる一冊だ。

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