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中学生までに読んでおきたい日本文学(全10巻セット)

中学生までに読んでおきたい日本文学(全10巻セット)

あすなろ書房 2011年4月1日

感想

子どもの教育にと手に取ってみたこのセット本だが、率直に言って期待と現実のズレを感じた。 収録作品自体は定評のある日本文学の代表作ばかりで、その選別眼には異論ない。ただし「中学生までに読んでおきたい」というコンセプトが、果たして編者の意図通りに機能しているのかは疑問だ。古典の持つ重厚さと、中学生向けという制約のバランスが必ずしも成功しているとは言えず、どちらかといえば作品の本来の魅力が幾分損なわれているような印象を受けた。 もちろん、入門書としての役割は果たしているだろう。これまで日本文学に触れる機会がなかった若い読者であれば、良い足がかりになるはずだ。ただ、私のように既に多くの古典を読んでいる者にとっては、改めて手を取る動機に乏しい。また、編集の質としても可もなく不可もなく、特に斬新な視点や解説が施されているわけではない。 悪い本ではないが、特に優れた本でもない。目的をはっきり持った読者選別を前提とした企画なのだと考えるべきか。

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