猿
出版社:KADOKAWA
出版年月日:2025/12/22
KADOKAWA | 2025/12/22
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みんなの感想
仕事が忙しい時期でも、通勤時間に気軽に読める本を探してて、この作品を手にしました。 最初は、「猿がいる」という同居人の発言から始まる、ちょっと不気味な話だなという印象だったんですが、読み進めるにつれて、その不安感がじわじわと積み重なっていく感覚がたまりません。岡山の限界集落という舞台設定も効いていて、日常と非日常の境界線があいまいになっていく雰囲気が上手く描かれている。 エンジニアの仕事をしてると、論理的に物事を考えることが習慣になってるんですが、この本は「これは本当に起こってるのか、それとも錯覚なのか」という、その曖昧性を突きつけてくる。それが怖い。説明されない違和感というか、心理的な恐怖感を引き出す書き方が秀逸だと思いました。 長編ですが、テンポよく読めるし、一気読みしてしまいました。怖さの本質ってなんだろう、と考えさせられるような作品。気軽に読みたい時向けというより、ちょっと気力を入れて読みたい時向けかもしれませんが、それだけの価値がある一冊です。