園芸家12カ月
中央公論新社 | 2020/08/21
みんなの感想
最近、SNSで話題になっていたこの本をようやく読み終わりました。園芸なんて自分には無縁だと思っていたのですが、開いてみてびっくり。チャペックの軽妙な筆致に一気に引き込まれてしまいました。 12カ月を通じて描かれる園芸家の営みは、実は私たちの人生そのもの。季節の移ろいの中で植物と向き合い、失敗したり喜んだりする様子が、こんなにも美しく、こんなにもおかしく書けるなんて。公務員として毎日ルーチンワークに追われている身としては、土を触り、花を育てる営みの中に見出される幸福感が、妙に羨ましく感じられました。 新装版として生まれ変わったこのエッセイは、読みやすいだけでなく、随所に挟まれたイラストも素敵。100年以上前に書かれたとは思えない、普遍的で奥深い内容に、古典の魅力を改めて感じます。話題性だけでなく、本当の意味で手元に置いておきたくなる一冊です。
園芸とは無縁な生活を送っているんですが、この本のタイトルが面白そうだったので手に取ってみました。チェコの作家チャペックが月ごとに描く園芸家の一年ですね。 読んでいて思ったのは、園芸という題材を通じて人生観や季節の移ろいについて語る、そういう類のエッセイなんだなということ。軽妙な筆致という説明の通り、読み心地は悪くありません。園芸家の視点から見た世界ってこんなふうなのか、という発見もあります。 ただ正直なところ、フリーランスで毎日パソコンに向かっている身には、ちょっと遠い世界という感じも拭えませんでした。園芸への情熱とか、季節を身体で感じる感覚とか、いいなあとは思うんですけど。100年前の作品だからかもしれませんが、今読むと若干の距離感は残ります。 エッセイとしては悪くない仕上がりだと思うので、園芸好きな人なら特に楽しめるんじゃないでしょうか。私みたいな素人でも気軽に読めるのは利点ですね。
最近、こういう知的で軽妙な エッセイが無性に読みたくなる年代になった。本屋で新装版として並んでいた『園芸家12カ月』を手に取ったのは、チェコの作家チャペックの名前を見かけたからだ。趣味の園芸について書かれた本とのことだが、侮るなかれ。これは単なる園芸ハウツー本ではなく、人生哲学に満ちた傑作である。 月ごとに描かれる庭での営みを通じて、チャペックは人間の本質、時間の流れ、自然との付き合い方についてこれ以上なく巧みに語っている。その軽妙な筆致は本当に秀逸で、クスッと笑わされながらも、ページをめくるたびに深い思索へと導かれる。仕事で疲弊した心が、この著者の言葉によって潤される感覚を覚えた。 「われわれ園芸家は未来に生きている」という冒頭の一文が全てを物語っている。著者生誕130年の新装版という形で今、改めてこの古典的名著が手に取れるのは幸せなことだ。人生の後半戦に入った身として、この本がもたらす視点の転換は実に貴重だった。
医療の仕事で疲れた心に、このエッセイはそっと寄り添ってくれました。チャペックの描く園芸の世界は、なんとも温かく、そして深い。 毎月ごとに変わる庭の表情、植物たちとの関わりの中で感じる喜びや驚き。著者の筆は軽やかでありながら、園芸という営みへの向き合い方の中には、人生への哲学的な思考が息づいています。仕事場では患者さんの健康を支えることに注力していますが、この本を読んでいると、土に触れ、緑を育てることの大切さを改めて感じさせられます。 何か完璧を目指す必要はなく、植物とのおつきあいの中で得られるささやかな幸福——それって仕事も生活も同じだなと思うんです。通勤電車の中で読んでも、寝る前に少しずつ読んでも、どのタイミングでも心が落ち着きます。新装版ということで装丁も素敵。気軽に手に取れるのに、何度も読み返したくなる、そんな一冊です。
仕事で頭を使い続ける日々から逃れたくて、手に取った一冊です。正直、エンジニアである自分が園芸エッセイを読むことになるとは予想していませんでしたが、これは大当たりでした。 チャペックの筆致の軽妙さと、園芸という一見地味な営みへの向き合い方がこんなに深く、そして楽しいものなのかということに気付かされます。季節ごとに変わる草花との付き合い方を通じて、人生の普遍的な喜びや工夫の大切さが描かれていく。エンジニアとして最適化や効率を求める癖がありますが、この本を読んでいると「完璧さよりも試行錯誤のプロセスそのものが大事なんだ」ということを思い知らされました。 各月の短編的な構成なので、忙しい日常の中でも無理なく読み進められるのも良かった。生活に何か新しい視点を加えたいときや、心をリセットしたいときにはぴったりの一冊だと思います。新装版として出版されたのは、本当にタイムリーでした。
正直に言うと、この本は自分の期待値と合いませんでした。 新社会人になって、仕事のストレスで何か心が落ち着く本を読みたいと思い、園芸エッセイということで手に取ったんです。でも実際に読み始めると、園芸についての専門知識が必要というか、著者の園芸への偏執的な愛情についていくのが難しくて…。新装版の解説も専門的な視点で書かれており、初心者向けではない印象を受けました。 漫画をメインに読んできた自分としては、エッセイ特有の「軽妙な筆致」と評される文体も、実際には思ったより重厚で読みづらかった部分があります。12カ月の物語構成は興味深いのですが、毎月の記述が月並みな内容に感じてしまい、その点で物足りなさを感じました。 もう少し門戸の広い、初心者でも楽しめるような内容だったら良かったなと思います。チェコの作家という背景知識もあると、もっと楽しめたのかもしれませんが、今の自分にはまだ難しい一冊でした。
チェコの作家カレル・チャペックによるこのエッセイ集を手にしたのは、ちょっと気分転換がしたかったからです。公務員の日常は意外と単調で、同じ書類を眺める毎日。そんな時にこの本が目に留まりました。 園芸について全く知識のない私ですが、これが思いのほか面白い。チャペックの筆致の軽さというか、独特なユーモアが随所に光っています。植物を育てることへの情熱が、こんなにも楽しく、時にくすっと笑える形で描かれるんだと驚きました。四季を通じた園芸家の営みを追いながら、実は人生そのものについて考えさせられる部分もあります。 特に良いのは、難しい話ではなく気軽に読み進められる点。通勤の電車内や就寝前のちょっとした時間に読むのに最適です。新装版という新しい装いも手に取りやすく、長く愛されてきた理由が納得できます。園芸に興味がない人でも、こういった「何かを愛する」ことの喜びが伝わってくる良い一冊だと思いますよ。