近藤の本棚
感想

エンジニアという職業柄、日々ロジカルな思考ばかり求められているので、たまには頭をリセットできる本を探していました。このエッセイはまさにそれです。 チャペックの園芸に対する向き合い方の丁寧さに心を掴まれました。月ごとに変わる庭の表情を描く筆致は、プログラミングとは全く異なる時間軸の中にいることを思い出させてくれます。園芸の知識がなくても、彼の軽妙で温かみのある語り口のおかげで、すんなりと世界観に入り込めました。 若干懸念していたのは、昔のエッセイということで表現が古臭くないかという点でしたが、新装版であることと阿部賢一による解説のおかげで、現代の読者にも親しみやすくなっているようです。実際に読んでみると、むしろ時代を超えた普遍性が感じられます。 技術的な正確さを求めるエンジニア気質の私にとって、完璧さより試行錯誤を愛おしむチャペックの姿勢は新鮮です。もし日々の仕事で疲弊している人や、自然とのつながりを求めている人には特にお勧めできる一冊です。

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