雄一の本棚
世界は分けてもわからない

世界は分けてもわからない

福岡 伸一 講談社 2009年7月17日

感想

前作『生物と無生物のあいだ』を読んで以来、福岡ハカセの著作に目を通すようにしていたので、本書も期待を持って手に取りました。 最初の印象としては、科学技術書という枠に収まらない、むしろ思想的な深さが印象的です。私たちが当たり前のように「分ける」ことで世界を理解しようとする思考の習性に警告を鳴らしている。部品に分解して理解するという還原主義的なアプローチの限界を、具体的な事例を交えながら丁寧に説いていくのですが、その説き方が美しい。 慎重に読み進める必要がある書籍です。各章で提示される視点は単に科学的な知見ではなく、私たちの人生観にも関わる根本的な問い直しとなっています。会社員として数十年働いてきた身として、効率化や分析を重視してきた自分の思考パターンを見つめ直すきっかけになりました。 完全に理解するには何度も読み返す必要があるかもしれませんが、それだけの価値がある一冊だと感じます。中年男性こそ読むべき、人生経験と知識を活かして深く考えられる本です。

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