読書メモの本棚
感想

最近、映画化された作品の小説化というのが話題になっているようですね。この『高台家の人々』も、そうした流れの中で目に留まった一冊です。80年も生きていると、新しい物語の形式も珍しく感じられるもので、どうせなら読んでみようと手に取りました。 主人公の木絵という女性の妄想癖と、彼女が恋に落ちる男性の秘密という、一見ありふれた恋愛ストーリーかと思いきや、予想外の展開が次々と現れます。心が読めるテレパスという設定は、現代の若い世代にも受け入れやすいファンタジー要素なのでしょう。文庫本という手軽なサイズで、長年の読書習慣に心地よく収まります。 軽妙な語り口と、登場人物たちの機知に富んだやり取りが印象的でした。自営業を営んできた身からすると、人間関係の機微を丁寧に描く姿勢が好感を持てます。話題作というだけあって、一気に読み通してしまいました。年配の読者にも十分に楽しめる、良い作品だと思います。