アサッテの人

アサッテの人

諏訪 哲史

出版社:講談社 出版年月日:2010/07/15

講談社 | 2010/07/15

4.67
本棚登録:5人

みんなの感想

感想

芥川賞を受賞した話題作とあって、さっそく手に取ってみました。吃音という障害を通じて、世間一般とは異なる生き方を貫いた叔父の人生を描いた作品ですが、これが実に味わい深い。 著者の言葉選びの丁寧さに驚かされます。凡庸な言葉への嫌悪という共感しがたいテーマを、丹念に掘り下げていくうちに、読み手も主人公と一緒に深い思索へと導かれていく。人生八十年も過ぎた身からすると、「世の通念から身をかわし続ける」という叔父の生き方には、ある種の潔さを感じます。 選考委員たちが激賞した理由も納得できます。何度も読み返したくなる構成の妙、各エピソードの輝きようは、確かに並の新人作ではない。自営業で好き勝手に生きてきた者として、世間的には奇行と映るかもしれない人生の選択肢を、これほど丁寧に描いた小説は珍しい。 現代文学の新しい可能性を感じさせる傑作です。あちこちに隠された発見を探しながら、もう一度読み返してみようと思っています。

感想

芥川賞受賞の話題作ということで手に取ってみたんですが、これはもう一度読み直したい本でした。 吃音という障害を抱えた叔父との関係を通じて、「普通」って何だろう、ってことを問い直す物語なんですが、その問いかけ方が本当に柔らかくて面白い。叔父は型破りな人物ですけど、決して説教的ではなくて、読んでいて自分もどんどん彼の視点に引き込まれていく感じがしました。 特に言葉の選び方が秀逸で、選考委員のコメントにあった「音に身を寄せた精密な言葉送り」ってまさにその通りだなあと。公務員という割と堅い職業柄、つい思考が窮屈になることもあるんですが、この本を読んでると心がふわっと軽くなるというか、別の角度から世界が見える気がします。 短編のような各エピソードがキラキラしていて、繰り返し読むたびに新しい発見があるのも素敵。気軽に楽しめるけど、ちゃんと深い。こういう小説との出会いがあるから、読書ってやめられません。

感想

芥川賞受賞作ということで期待して読んだのですが、その期待をしっかり超えてくれた一冊です。 吃音を抱えた叔父という一人の人物を通じて、「普通」って何だろう、「生きる」って何だろうっていうことを考えさせられます。独特の言葉遣いと構成で、最初は少し読みづらく感じたけれど、読み進めるうちにその世界観に引き込まれていきました。 何度も読み返したくなるような緻密さがあって、最初の読了後も「あ、ここはそういう意味だったのか」みたいな発見が何度もありました。選考委員が激賞したのも納得できます。 ただ、万人向けかと言うと、ちょっと難しい部分もあるかもしれません。でも、そこがこの本の魅力でもあるんだと思う。既成概念にとらわれない、ちょっと風変わりな考え方に触れたいなら、ぜひ読んでみてほしいです。芸術的で、知的で、でも決して難しすぎない。気軽に読書を楽しみたい私にとって、ちょうどいい刺激をくれた作品です。

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