読書メモの本棚
感想

最近の若い世代に人気だという西尾維新の『化物語』を手に取ってみた。話題の作品だからと思って、80歳の身でもついつい新しいものに目を向けてしまう悪い癖である。 読んでみると、これは正に若者向けのライトノベルだ。怪異という古くからある題材を現代の高校生活に絡ませた設定は工夫されている。主人公の阿良々木君と次々現れるヒロインたちとのやり取りも、若い読者にとっては楽しいのだろう。会話が多く、テンポよく進む構成も、この手の作品としては上手だと感じた。 ただ、正直なところ私には消化しきれない部分が多い。独特の文体や造語、ポップな表現は現代的ではあるが、読み進めるのに少なからぬ労力が必要だ。さらに言えば、ストーリーとしての深さや、人生経験を積んだ身として響く何かが、正直言って足りない気がする。 悪い作品ではないし、企画の面白さもわかる。ただ世代が違うということだろう。これは若い読者こそが真の評価者だと思う。私が手に取るには、やはり少々畑違いだったか。