ななちゃんの本棚
感想

本屋大賞受賞作ということで、慎重に情報を集めてから手に取りました。正解でした。 この物語は「愛」という言葉では説明しきれない、人と人の繋がりを描いています。家族を失い、心が死んでいくような少女時代を過ごした主人公。その時に彼女の居場所となった人物との再会。一般的な恋愛小説とも、家族小説とも違う独特の温度感が、読み進むにつれて心に沁みていきます。 フリーランスという立場で、人間関係の距離感に常に向き合う自分にとって、この作品は非常に考えさせられるものでした。「そばにいたい」という切実な願いが、どこまでも純粋で、どこまでも複雑で。著者の丁寧な描写が、登場人物たちの心の揺らぎを見事に捉えています。 映画化されたとのことですが、この繊細な感情世界は、文字だからこそ余韻として残るのではないでしょうか。時間をかけてゆっくり読むことで、作品の本質がより深く理解できるように思います。人間関係について問い直したい方、文学的な深さを求める方に強くお勧めできます。

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