生きて行く私

生きて行く私

宇野千代

出版社:中央公論新社 出版年月日:1992/01/01

中央公論新社 | 1992/01/01

3.00
本棚登録:3人

みんなの感想

感想

著者の率直な生き方への向き合い方に、ページをめくる手が止まりませんでした。フリーランスという立場で生計を立てている私だからこそ、この本に描かれる人生の選択肢と葛藤がとても身近に感じられたのです。 エッセイと小説が混在した構成になっていますが、その緩急がとても効果的。思索的な部分で立ち止まって考える時間をくれるかと思えば、ストーリーの中で共感を呼び起こされる。年を重ねた女性だからこそ見えてくる世界観があり、これまでのキャリアや人間関係を通じて「生きて行く」ことの意味を改めて問い直させられました。 ただし、内容がやや内省的で、ときに重たい部分もあります。軽やかなエンタメを求める方には向かないかもしれません。でも人生の岐路に立っている人、あるいは自分の選択に迷いを抱いている人にとっては、静かに考えるきっかけをくれる良い一冊だと思います。慎重に読み進める価値は十分にあります。

感想

期待を持って手にした作品ですが、正直なところ、最後まで読み通すのに少し苦労しました。 著者の「生きていく」ことへの向き合い方を描いた作品のようですが、全体的にメッセージが散漫に感じられてしまいました。毎日、生徒たちと向き合う仕事をしている身としては、もっと明確な問題提起や具体的な視点があると思っていたのですが、抽象的な思索に終始しているように見えます。 良い点としては、文章の美しさは随所に感じられますし、著者の誠実さが伝わってくる部分もあります。ただ、小説としての物語性とエッセイとしての説得力、その両方が中途半端になってしまっているような印象です。 人生経験豊かな読者には響く部分があるかもしれませんが、自分にとっては「もう一歩」足りない作品でした。気軽に読書を楽しみたい派の身としては、もっともっと引き込まれる何かが欲しかったところです。

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