ななちゃんの本棚
生きて行く私

生きて行く私

宇野千代 中央公論新社 1992年1月1日

感想

著者の率直な生き方への向き合い方に、ページをめくる手が止まりませんでした。フリーランスという立場で生計を立てている私だからこそ、この本に描かれる人生の選択肢と葛藤がとても身近に感じられたのです。 エッセイと小説が混在した構成になっていますが、その緩急がとても効果的。思索的な部分で立ち止まって考える時間をくれるかと思えば、ストーリーの中で共感を呼び起こされる。年を重ねた女性だからこそ見えてくる世界観があり、これまでのキャリアや人間関係を通じて「生きて行く」ことの意味を改めて問い直させられました。 ただし、内容がやや内省的で、ときに重たい部分もあります。軽やかなエンタメを求める方には向かないかもしれません。でも人生の岐路に立っている人、あるいは自分の選択に迷いを抱いている人にとっては、静かに考えるきっかけをくれる良い一冊だと思います。慎重に読み進める価値は十分にあります。

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