ななちゃんの本棚
感想

朝井リョウの最新作ということで、前作『正欲』の余韻がまだ残っているうちに手に取ってみました。正直なところ、かなり実験的な作品だなという第一印象です。 男性の視点から人間の本質を問い直す内容とのことでしたが、読み進めるうちに、著者が私たちに突きつけようとしている問いが次々と浮かび上がってくる。効率や消費といった現代社会の概念を、これほど鮮烈に描き出すとは。人間関係や人生の選択についても、改めて考えさせられました。 文章表現が独特で、最初は読むペースが落ちるかな、と懸念していたのですが、むしろそれが作品の世界観を深めているように感じます。フリーランスという自由な働き方をしている身だからこそ、主人公の葛藤や迷いが身近に感じられたのかもしれません。 完全に満足できた部分と、もう少し丁寧に展開してほしかった部分が両立している印象ですが、読む価値は十分あります。ただし、かなり思考力を要求される作品なので、心に余裕がある時に読むことをお勧めします。

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