本と珈琲の本棚
たまさかの古本屋 シマウマ書房の日々

たまさかの古本屋 シマウマ書房の日々

鈴木 創 亜紀書房 2025年12月9日

感想

名古屋の古本屋・シマウマ書房の店主が二十年間の経験を綴ったエッセイ集です。古本という存在を通じて、本と人のつながりを考察した作品ですね。 読んでみて感じたのは、著者の視点が丁寧で誠実だということ。毎日の店の営みの中で、どんな客層が訪れ、どんな本が選ばれていくのか。そうした営みを静かに観察し、言葉にしていく姿勢は好感が持てます。活字文化の未来についても思慮深く語られていました。 ただ正直なところ、期待していた以上の深い洞察や、心を揺さぶるようなエピソードが少なかったかな、というのが率直な印象です。古本屋という題材は魅力的なのに、もう少し個性的な物語や人間ドラマがあれば、より引き込まれたと思います。 気軽に読める良い本ですし、本好きなら確実に楽しめるはずです。ただ特別に心に残るものがあるかといえば、そこまでではないというのが正直なところ。可もなく不可もない、という感じでしょうか。古本屋の雰囲気を感じたい時に、ゆったり読むにはちょうど良い一冊です。

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