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杏のとことこパリ子連れ旅

杏のとことこパリ子連れ旅

ポプラ社 2026年3月18日

感想

子育て真っ最中の知人に勧められて手に取った一冊。双子と長男の3人を連れてのパリ旅、しかも複数回というのに驚いた。確認するのは、こうした育児エッセイが本当に読む価値があるかということだ。 結論から言えば、悪くはない。杏さんの自然体な語り口は好感が持てるし、子どもたちとの何気ない日常の中での発見が素直に伝わってくる。パリという舞台が絡むことで、子育てという身近なテーマに少しの非日常性が加わり、そこが魅力になっている。 ただし、私の年代で管理職をしていると、若干物足りなさを感じてしまう。育児の機微や親の心情の変化は綴られているが、深掘りするほどの洞察や普遍的な問いかけが欠ける印象だ。あくまで「良い思い出旅行記」の域を出ていない。 気軽に読める良質なエッセイを求める方には十分だろう。ただ、人文的な深さを期待して手に取ると、期待値とのズレが生じるかもしれない。妻も子どもも興味を持つなら、家族で共有できる一冊として価値があるかな。

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