章炳麟集

章炳麟集

章 炳麟 / 西 順蔵 / 近藤 邦康

出版社:岩波書店 出版年月日:1990/09/17

岩波書店 | 1990/09/17

4.00
本棚登録:3人

みんなの感想

感想

高専の授業で中国史を勉強していて、思想家について知りたくなって手に取ってみました。正直、最初は重い本だなって思ったんですが、章炳麟という人がどれだけ影響力を持っていたのかは理解できました。魯迅や毛沢東に影響を与えた人物の主要論文が一冊にまとまっているというのは、歴史や思想に興味がある人には貴重だと思います。 ただ、高専生の自分には読むのが結構大変でした。論文なので当然難しいのですが、注釈とか背景説明がもう少し充実していたら、もっと理解しやすかったのかなという感じです。帝国主義批判など、テーマ自体は現代でも通じるものがあるんですけど、文体が古いこともあって、意図を完全につかみ切れていない部分もあります。 学習の参考にはなりましたが、気軽に読める本ではないので、中国思想について本気で学びたい人向けという印象です。もう一度チャレンジするなら、別の資料と組み合わせて読むといいかもしれません。

感想

仕事の傍ら、中国思想にもたびたび目を向けてきた身としては、この章炳麟の論文集は非常に興味深い読み物だった。帝国主義の波が押し寄せる時代に、東洋の古い思想を武器に西欧思想と対峙した彼の知的格闘が、24篇の論文を通じて立体的に浮かび上がる。 特に印象的だったのは、単なる懐古主義に陥らず、仏教や老荘の思想を近代的に再解釈しながら、植民地主義を徹底的に批判する論理の一貫性である。知識人としての矜持を感じさせる。魯迅や毛沢東に影響を与えた思想家というだけあって、その射程の広さと深さには驚かされた。 岩波の文庫という手頃なフォーマットなのも良い。難しい古典思想だが、解説が丁寧で、管理職という立場で忙しい日々の中でも少しずつ読み進められた。近代中国の思想的基礎を知りたい、あるいは西欧中心的な世界観を相対化させたい人には、確実にお勧めできる一冊だ。

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