むしの本棚
そいつはほんとに敵なのか

そいつはほんとに敵なのか

碇雪恵 hayaoki books 2026年1月29日

感想

現代人に必要な思考とはなんだろう。そう問いかけてくる本書を手に取ったのは、SNS疲れが溜まっていた時期だった。敵と味方を分けず、違う者同士が本当にコミュニケーションできるのかという問題提起は面白い。確かに、合わない人を単純に排除する人生は楽だけど、何か大切なものを見落としているような気もする。 ただ正直なところ、その先の答えまで辿り着けなかった感じがする。エッセイとしての個人的な体験や洞察は随所に光るんだけど、「喧嘩しよう」「コミュニケーションを取ろう」という提案が、どこか抽象的で掴みどころがない。実際の人間関係の複雑さに比べると、やや理想論で押し切られてしまっているというか。 エンジニアのキャリアでも同じなんだが、何か課題解決には具体的な方法論が必要だ。思考の転換はいい。でも、その後どう動くのか、何から始めるのか。そこまで示してくれると、もっと響く本になったんじゃないかな。気軽に読める文体は好きだし、時々ハッとさせられる箇所もある。でも物足りなさが残るんだよね。

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