方舟

方舟

夕木 春央

出版社:講談社 出版年月日:2024/08/09

講談社 | 2024/08/09

4.20
本棚登録:10人

みんなの感想

話題になっていたので気になって手に取りました。密室サスペンス、そして極限状況での人間ドラマということで、かなり期待していたのですが…正直なところ、可もなく不可もない、という印象です。 設定は確かに面白いです。地下建築が水没していく中での殺人事件、犯人を生贄にすべきという緊張感のある状況設定は、ページをめくる手を止められません。謎解きの部分も工夫されているなと感じました。 ただ、途中から話の展開に少し違和感を覚えてしまいました。登場人物たちの心理描写がやや薄く感じられて、究極の状況にいるはずなのに、どこか他人事のような感覚が拭えません。また、仕掛けられた謎と明かされる真相のギャップが、個人的には少々物足りなかったんです。 家事の合間にさっと読める娯楽作品としては及第点ですが、話題だからと期待値が上がった分、少し肩透かしを食らった感じです。密室サスペンスが好きな方なら楽しめると思いますが、私のような読者には、もう一工夫あってもよかったかな、と思います。

この年になると、読んだ本の数も増えてね。でも『方舟』のようなページをめくる手が止まらなくなる作品には、久しぶりにお目にかかりました。 地下建築で閉じ込められて、さらに殺人まで起こる。こうした極限状況での謎解きを楽しみにしていたんですが、途中で「あ、これは単なるミステリーじゃないな」と気づくんです。犯人を追い詰めるという表面的な論理の下に、もっと深い人間ドラマが隠されていて、終盤に明かされる〈真相〉には本当に驚かされました。 自営業をしていると、人間関係の難しさや利害関係の複雑さをいやというほど感じますが、この物語はそうした現実的な葛藤を巧みに組み込んでいる。登場人物たちの選択肢の狭さ、追い詰められた心理、そしてそれぞれが背負っている事情。どれも説得力があるんです。 気軽に読む文庫としては最高の出来だと思います。お勧めしたくなる一冊ですね。

この本、本当に面白かった!最初は密室でのサスペンスだと思って読み始めたんですが、途中から予想外の展開が次々と襲いかかってきて、もう手が止められませんでした。 限られた時間の中で犯人を特定しなければならない、という状況設定だけで既に緊張感が満点なのに、そこからさらに物語が複雑になっていくんです。登場人物たちの心理描写もリアルで、自分だったらどうするんだろう、って何度も考えさせられました。 何より素晴らしいのは、ラストの〈真相〉です。それまで積み重ねられた謎や伏線がまるでパズルのピースのようにはまっていく感覚は、読んでいて本当に快感でした。「えっ、そういうことだったの?」って思わず声に出してしまいました。 気楽に読むというより、集中力が必要な作品ですが、その分得られる満足感は大きいです。少し長めですが、一気読みしてしまう面白さがあります。本当にお勧めの一冊です!