むしの本棚
ブルー ハワイ

ブルー ハワイ

燃え殻 新潮社 2026年3月30日

感想

ふと手に取った文庫本だったけど、これが想像以上に心に来た。著者が拾い上げた「ささやかな記憶の断片」って、本当にそういうものなんだなって改めて感じさせられた。 仕事で疲れてるときとか、人間関係でモヤモヤしてるときって、大事なのは壮大な何かじゃなくて、こういった細やかな思い出なんだ。母親の「体に気をつけなさい」という言葉、駄菓子屋のじいさん、五反田での知らない男との出会い——どれも特別じゃない日常の瞬間なのに、そこに確かな温かさがある。 エッセイだから肩ひじ張らずに読めるのも良い。むしろサラッと読めるからこそ、その後ジワジワと効いてくる感じがある。大橋裕之のマンガとBE:FIRSTのLEOさんのエッセイも入ってるというのが面白い企画だなと思った。 人生で何度も「あの時のあの場面」を思い出すことってあるじゃない。そういう瞬間の価値を改めて認識させてくれる本。38にもなると、昔のことを思い出す頻度も増えるんだけど、この本を読んでそれでいいんだと思えた。素直に好きだ。